top of page

Amplifier
REVOX Modell 40

 ルボックス モデル40は、1961から1965年の間に製造された真空管式のプリメインアンプだ。
 ダークグリーンのフロントパネルに年代を感じさせるプッシュ式のセレクター、少々安ぽいプラスチックのボリュームやバランスのノブ、このアンプのシンプル過ぎて玩具ぽささえ漂うデザインの元を辿ると、Revox A36 というオープンリールデッキにたどり着く。

全体に丸みを帯びたシャーシーに、二つ並んで取り付けられたリールが、まるでカエル顔の目玉に見えるRevox A36には、設計者ウィリー・スチューダーの人柄とユーモアのセンスが感じられる。
 このオープンリールデッキに採用されたスイッチ類や、内部に組み込まれた真空管のアンプ部分がその後のルボックスの真空管アンプのベースとなっている。
 ステレオ真空管アンプ ルボックス モデル40の前に、モノラルのコントロールアンプRevox 59-AとパワーアンプRevox 59-Eがあったようだが、コントロールアンプの内部もやはりRevox A36とほぼ同じレイアウトで、スイスのメーカーらしい合理性が伺える。
  真空管は前段にECC83×1 ECC81×3、出力管にECL86 ×4という構成で、1960年代当時の一般的な真空管プリメインアンプと大きな違いはない。ただ、この手のアンプの出力管にはEL84が多く使われていたのに対して、あえてECL86というオーディオ用に開発されたというローノイズの真空管を採用したところにもメーカーとしての先進性が感じられる。しかし、ECL86はその後あまり普及する事なく時代は真空管からトランジスターへと移行する。

bottom of page