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Jackson C. Frank
Jackson C. Frank

 アメリカのフォーク・シンガー ジャクソン・C.フランクは、1965年に唯一のアルバム『Jackson C. Frank 』を残している。
 イギリス渡航の際、ポール・サイモンのプロデュースによってレコーディングされたこのアルバムには、その後多くのミュージシャンによってカバーされる「Blues run the game」がA面の一曲目となっていて、プロテスト・ソングである「Don’t Look Back」や、トラディショナル・ソングの「Kimbie」など当時のフォーク・シーンを反映する曲が続く。一方、アルバムのB面には「Milk and honey」や「Dialogue」といった孤独で底なしの寂寥感が漂う曲が多い。
 ジャクソン・C.フランクは幼年期に、同級生の多くが死傷した小学校での火事を経験しており、自らも大火傷を負っている。そして生涯この事故が原因の精神的トラウマに苦しんだという。
 静謐で物憂く、何とも美しい曲の数々は、彼でしか表現出来なかった音楽の世界だと思う。

 晩年のジャクソンC.フランクは、左目を失明するなど、更なる不遇に見舞われる事になるが、90年代にも細々と音楽活動は行なっていた様で、その時代の音源が2003年に発売されたCD『Jackson C. Frank : Blues Runs The Game - Expanded Deluxe Edition (2CD)』に数多く収録されている。

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