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thee michelle gun elephant
Get up Lucy

 1997年にリリースされたミッシェル・ガン・エレファントの12インチシングル「ゲット・アップ・ルーシー」は、ロンドンのToe Rag Studios(トゥーラグ・スタジオ/1999年、ShoreditchからHackneyに移設)で録音されている。

 ヴィンテージのアナログ録音機器にこだわるこのスタジオでは、アビー・ロード・スタジオで実際に使用されていたEMI のミキシングコンソールを始め、スチューダーのアナログ・テープマシン、TANNOY(タンノイ)のドライバーを入れたLockwood(ロックウッド)のモニター・スピーカーやクォードの真空管式パワーアンプQuad IIなどが使われ、オーディオ好きにも気になるスタジオである。
 創設者の一人Liam Watson (リアム・ワトソン) は、1960年代のブリティッシュ・ビートやガレージ・ロックを好み、エンジニア及びプロデューサーであると同時に自らもミュージシャンとしてThe Bristols(ザ・ブリストルズ)などでバンド活動もしている。
 ブリティッシュ・パブロック色が強かった90年代ミッシェルのチバユウスケが、このスタジオ及びリアム・ワトソンの音を求めたのは必然であったのであろう。結果、「ゲット・アップ・ルーシー」と「深く潜れ/DIVE IN BLUE」という代表曲が生まれた。
 当然のこの12インチシングル「ゲット・アップ・ルーシー」の音質は、所謂「高音質」とか「美音」と言ったものは全く狙ってなく、ガレージ・バンドの持つ荒削りな初期衝動をそのまま捉えたようなかなり強くて太い音で、このレコードにあるべき躍動感のある音である。

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