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Mike Hurley
First Songs

 1965年にFolkways Records(フォークウェイズ・レコーズ)からリリースされたマイケル·ハーレー(Mike Hurley名義)のファースト・アルバム「First Songs(ファースト・ソングス)」は、プロデューサーであるFrederic Ramsey Jr(フレデリック・ラムジーJr)との偶然の出会いによって生まれている。 ジャズ、ブルースの研究家で、1950年代に農村の黒人音楽のフィールド・レコーディングを数多く行っていたフレデリックは、ちょうどマイケルの実家の近くに住んでいて、ギターを持ってヒッチハイクをしていたマイケルを拾い、主にブルースを演奏するという彼を自宅に招待したのが切っ掛けでレコーディングにまで発展したという。

 アルバムのカバーフォトやライナーノーツもフレデリックが手がけていて、透明感のある飾り気のない録音がマイケル·ハーレーの個性を上手く引き出している。

 1曲目の「Blue Mountain」の力の抜け具合といい、5曲目の「The Tea Song」の既に人生を達観している感じといい、録音当時22歳の青年の曲とは俄かに信じ難い不思議な成熟感がこのアルバムには漂っている。これは、1964年の収録前年に肝炎の為半年間を病院で過ごさなければならなかった事と無関係ではないのかもしれない。いずれにしても、その後のアルバムにも続く代表曲「Werewolf」も収録されていて、マイケル·ハーレーの世界が凝縮された名盤である。

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